photo 生存競争で雌になる
スパインチークアネモネフィッシュ

-
 ボルネオ島サバ州(マレーシア)東部のシパダン島。水深10メートルの浅瀬で、イソギンチャクと共生するクマノミの仲間のスパインチークアネモネフィッシュを見つけた。
 ほおに長いトゲが2本あるのが特徴で、小さい方が雄(体長6センチ)。雌は15センチぐらいまで成長する。
 クマノミは雄として成長し、その後、雌になる雄性先熟といわれる性転換をすることで知られる。一緒に生活するコロニーの中で、一番大きい雄だけが雌になる。
 ピラミッド式に力関係がはっきりしており、繁殖に関係できるのは、その一番大きな雌と、2番目に大きい雄だけ。他の小さな雄は自分の子どもを持てないないまま一生を終えることもあるという。
 この魚にとっては、〈うまく雌に変身できれば、人生は大成功!〉ということになる。魚の世界もそう簡単ではなさそうである。