photo ナポレオンフィッシュ
の〜んびり人間観察

-
 ベラの仲間で最大になる通称ナポレオンフィッシュだ。体長は1.5メートルもある。
 和名はメガネモチノウオ。体長が4〜50センチの小さな頃、目の回りにある眼鏡の黒いフレームのような模様がはっきりと現れるため、この名前がついたという。大きくなるにつれ、このラインは消える。
 紅海(エジプト)での長い撮影が続いた時、気がつくといつもこの魚がそばにいた。撮影をしている間、珍しいのか、泳がずに海底に腹をつけ、人間の子供が砂場で遊んでいるように、海底の砂をかんだりしながら、こちらを眺めている。まるで暇つぶしでもしているかのようだ。
 場所を移動すると、一緒についてくる。時々、カメラを向けると、砂で白くなった口元をごまかすかのように、目がくるりと動く。
 どちらが魚か人間か……。海の中は不思議がいっぱいだ。